KBSホールで10周年! ボロフェスタ2018がまもなく終わりを迎える。最後のアクトはBiSH。各日のトリは、ボロフェスタの歴史には欠かせない“物語”のあるバンドがセレクトされている。MOROHA、岡崎体育、そして3つめの物語はBiSHだ。

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ボロフェスタ2015から4年連続で出演している彼女たち。だから、BiSHの物語は結成当初からボロフェスタとともにあった、といってもおかしくはない。まだ「新生クソアイドル」と呼ばれていた2015、復活したBiSと同じ日に出演した2016。彼女たちがスターの階段をのぼった2017、そして今。ボロフェスタはお客さんはもちろんBiSHにとっても「帰ってこれるロックフェス」であり続けてきたのだ。

1曲目、「しゃ!!は!!ぬあ!!あぁ。死!!いてぇ。」の筆が投げられると、「BiSH-星が瞬く夜に」が始まる。サビで振り付けを真似る人の数は圧倒的に増え、お客さんの中には、子どもといっしょに楽しむ家族も見て取れる。すでにお茶の間ではパンク・アイドルとしての地位を確立したか?
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「DEADMAN」では、アイナ・ジ・エンドがスケールの大きなシャウトを爆発。定番の「スパーク」では、個性に飛んだ演劇的振り付けと、その歌唱力にぐっと惹きつけられる。そのどちらも、この4年で着実に積み上げてきた成長を感じた。フロアに出来上がった大きな「花いちもんめ」もその証拠だろう。
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セントチヒロ・チッチは、「同じ時代に音楽を通して、いろいろな人に出会えたことを感謝しています」と話す。楽器を持たないパンク・バンドが辿ってきた物語を辿るような発言に、目頭が熱くなった。

「ALL YOU NEED IS LOVE」で最後のフレーズの大合唱が起きると、「beautifulさ」のトゲトゲなフリで会場が一体となった。そしてアンコールは「オーケストラ」。BiSHがスターへの階段を登るきっかけになったその曲を、ここで最後にやるなんて、なんて素晴らしい物語なんだろう。ステージ後方の幕が開き、ステンドグラスが輝きを見せる中、彼女たちはこの4年間で一番美しかった。
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幕張メッセでの大規模な公演も決定し、BiSHの加速は止まらない。これが一区切りなのかもしれないが、今後もBiSHにとって、お客さんにとっても「帰ってこれるボロフェスタ」でいてほしいし、またこの地で再び彼女たちを見たい。

ボロフェスタ2018クイーンSTAGE、最後を飾るアーティストは京都のスリー・ピース・バンド、台風クラブ。「台風銀座」のイントロを演奏しライヴスタート!
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向き合って演奏する姿や、3人で声を重ねたときに生まれる奥行きから絶妙なバランスを感じる。

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「飛・び・た・い」や「ついのすみか」といった懐かしくて切ない気持ちになる曲が続き、夏の終わりの儚い空気がKBSホールに漂う。「処暑」では会場にぬるい風が吹いたような気がした。

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グリーン・デイの「Basket Case」のカバーに日本語詞をのせた「遠足」が始まると一際大きな歓声があがり、お客さんたちの興奮が伝わってくる。

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全編通してステージは暖かい色の照明に包まれていて、フロア後方から観ると、お祭りの様子を少し離れた場所から眺めているようだ。そういった雰囲気が、終盤に演奏された「まつりのあと」の説得力を強める。

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ラストは「台風銀座」! サビでは会場全体で「台風!」と声を合わせて、勢いを強めたままライヴは終了した。

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三日間に渡るボロフェスタ2018、街の底ステージのラストを飾ったのは京都のツーピース・バンド「メシアと人人」だ。
ボロフェスタではお馴染みのふたりが放つサウンドは、まるで鉄球のような重みを持っていて、塊になってズシンと鈍く響いた。

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北山敬将(Vo,Gt)はギターに3台のアンプを繋いでおり、エッジとローがサラダボウルのごとくまぜこぜになり、叫びにも聞こえるような轟音を放っていた。

ナツコ(Dr,Vo)の重心の低い強固なビートとメリハリの利いた縦のリズムは「メシアと人人」という存在そのもの説得力を持たせていた。
そして優しく包み込んでくれるようなコーラスには母性すら感じでしまった。

ライブの中盤では古くからの代表曲「おんなし」を披露し、ボロフェスタに集まった音楽ファンの拳を突き上げさせた。
シューゲイザーを彷彿とさせるバンド・サウンドと体の奥底から吐露する叫びだけでなく、メシアと人人の切ない詩世界がこの楽曲ではより色濃く感じられた。

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街の底は一切クールダウンする様子を見せず、ライブ会場としては異例の気温と湿度に覆われていた。
ステージに水たまりができるのでは、というほどに汗をかいていた北山敬将(Vo,Gt)だが、終盤に差し掛かっても全身を駆使してアグレッシブに音を押し出していた。

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最後の曲を演奏し終え、拍手が鳴り止む前に北山敬将(Vo,Gt)は「もう1曲やらせてください。これじゃ終われん」と言い、メシアと人人のふたりはさらなる気迫で演奏を開始した。
その熱気に呼応するかのように観客の体と突き動かされ、多幸感で2018年の街の底ステージが締めくくられた。

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愛され続けるメシアと人人が、愛され続けるボロフェスタにまた来年も登場することを切に願う。

MONO NO AWAREのメンバー玉置周啓(Vo.)と加藤成順(Gt.)、八丈島出身の2人によるアコースティック・ユニットMIZ。


優しいギターと暖かい歌声に、ゆったりした時間が流れ始める。
2曲目の「君に会った日は」の美しいハーモニーは、心にそっと寄り添ってくれる優しさを感じる。

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鴨川にいたヌートリアをカワウソだと思っていたことや、出身地の八丈島のヤドカリのMCで笑いを誘った。MCの内容もとにかく優しい!

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2人の重なるギターの旋律と言葉からは、真夏のキラキラひかる海辺が目に浮かぶ。
「夏が来たら」からの「パジャマでハイウェイ」。柔らかい日差しと爽やかな風を感じた

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ハートフルな「春」で心がほっこりしラストをむかえた。仕事で疲れたり、嫌なことがあったときはMIZをきいてほしい。そしてまたボロフェスタに癒やしの空間を運んできてくれるだろう。

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アメリカでのライブ、およびレコーディングを経て、そして先日の全感覚祭を終えて、ボロフェスタにGEZANが満を持しての初登場。

サウンド・チェックからすでに、観客たちからは息を飲む様子がうかがえた。
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ただならぬ妖気をまとったGEZANのステージは、新曲から始まった。
緊張感はさらに増し、視線はGEZANの「赤」へと一直線だった。
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「ラブソングみたいな感じで受け取って」というマヒトゥ・ザ・ピーポー(Vo,Gt)の言葉から「忘炎」の演奏が始まり、それまで張り詰めていた緊張の糸は瞬時に切れたかのようにフロアの様子が一変した。
ステージの爆発力がフロアに伝達し、ボロフェスタ2018のボルテージが最高潮に達した。
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マヒトゥ・ザ・ピーポー(Vo,Gt)が「最後に始まりの歌をやって終わります」と言い、始まったのはボロフェスタ2017のエンディング・テーマ「END ROLL」だ。
ボロフェスタ全体がふつふつと煮えていき、最後の瞬間には吹きこぼれるほどに滾っていた。
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他の追随を許さない独立性を持つGEZAN。
そのGEZANが今持っているヒリヒリした瘡蓋のような真っ赤な焦燥感の核となっているのは、あまりにも人間らしいがゆえの優しさなのかもしれない。
オーディエンスはその優しさに救いを求めているかのような、そんな空気を感じ取ることができる崇高なライブ・アクトだった。
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