ボロフェスタ2019もいよいよ最終アクトとなった。
18年目のボロフェスタで大トリを務めるのは京都のバンド、Homecomingsだ。
今回はストリングス4名を加えたHomecomings Chamber Setとしての出演である。

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ライヴが始まる前から会場は興奮と期待に満ちた異様な空気に包まれ、彼らの登場を待ちわびている。
やがてSEととともにメンバー+ストリングスの計8人が登場。畳野彩加(Vo,Gt)が「今日は特別にChamber Setということで、楽しんでください」と挨拶し、ゆっくりとキーボードを弾きはじめ1曲目の「Whale Living」へ。バンドサウンドとストリングスのハーモニーが作り出す荘厳な音色がホール内に響き渡る様子は、思わず息を飲むほどの美しさだ。
そのあとギターを手にした畳野がリバーブのかかったコードを爪弾き、カウントから「Blue Hour」へと続いていく。畳野の透明感のある柔らかな歌声に、福田穂那美(Ba,Cho)、石田成美(Dr,Cho)のコーラスが重なり、やがてストリングスも加わって壮大な音像を作り出していく。

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「2013年にはじめて出演してからほぼ毎年呼んでもらって、以前はKBSホールのすぐ近くに住んでいてそこから毎年通っていたのがとても想い出深い」と福富優樹(Gt)が話し、「この街で人を好きになったりいろんなことがあったときに、ずっと聴いていた人の曲をやります」と言って、今年亡くなったダニエル・ジョンストンの「Living Life」をカバー。そのあとも聴く人の心にそっと灯りをともしていくかのように、丁寧に音を紡いでいく。

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バンドの初期からボロフェスタに出演した彼らは5年間のうちに大躍進を遂げた。京都アニメーション制作の映画や映画『愛がなんだ』の主題歌を務めるなど、全国区で知名度を上げた。
そんな彼らが3日間の大トリとしてボロフェスタに帰ってきた。ここまでの道のりはきっと楽しいことばかりではなかったはずだ。ボロフェスタは彼らをずっと見守ってきた。そして今日このステージで、それらをすべて内包して美しく昇華させていくようだった。

「ボロフェスタは自分にとってすごく大事なフェスで、今日も大切な仲間がいっぱいいる1日の最後に僕たちを選んでもらって嬉しいです。ありがとうございます!」と福富が語り、温かい拍手が送られた。
「最後は自分にとって大切な曲をやります」
そう言ってラストの「Songbirds」のイントロがはじまると同時に、ステージのステンドグラスが点灯しゆっくりとスクリーンが開かれていった。七色の眩い光に包まれながらエヴァーグリーンなこの楽曲をホール全体に響かせるように演奏する姿は、まるで天国にいるかのような神々しささえ感じさせた。

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「本当に今日はいい日でした」
鳴り止まない拍手に呼ばれアンコールに登場した畳野が笑顔で話し、最後は「LEMON SOUNDS」をひとりひとりに届けるように歌い上げた。
Homecomingsとボロフェスタとのストーリーが見事に体現された、感動的なステージでボロフェスタ2019は大円団を迎えた。


君たちはゾンビのように復活し、何度だってやり直す。
BiSの3度目のおでまし、初のボロフェスタはここ、地下ステージから始まる。

2016年、街の底ステージに現れた2度目のBiS。あの時のことは、今でもよく覚えている。
1曲目の「Give me your love 全部」が始まったとき、すべての時間が巻き戻った気がして、「ああ、本当に帰ってきたんだ」と涙が出たものだ。
あのときの彼女たちは残念ながら、ここにはいないが、その名を受け継ぎ、
また新たな物語が始まったことは、大変うれしく思っている。
この日はメインステージにて、ゲリラ・ライヴも開催された。
既にメインを張れるくらいの人数が集まり、繰り広げられた熱いパフォーマンス。
その熱量とともに、彼女と研究員は地下に移動するのだった。
もちろん、街の底STAGEは入場規制で超満員!
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まずは1曲目「STUPiD」が始まる。
先ほどのゲリラ・ライヴでも披露されていたこの曲。
振りを覚えたての人も、そうでない人も、大きな歓声とともに力いっぱいの動きで彼女たちを盛り上げる。そして続いては、「STUPiD」。そしてやっぱり、次の曲ももちろん「STUPiD」。
彼女たちのライヴではもはやお馴染みの3連続披露に、研究員はとくに驚く様子もなく、疲れる様子もなく、ただひたすらに肩を組み、一緒に髪を振り乱し、楽しく騒いだ!
途中、トギー、ネオ・トゥリーズ、チャントモンキーの3人が、イトー・ムセンシティ部を持ち上げるなど、組体操のようなポーズを何度か決めており、彼女たちの息もばっちりだった。
「STUPiD」はイントロがノイジーなぶん、「またこの曲か~?!」って思うことは「nerve」ほどはなかったのだけれど、3回目ともなると漂うカオスな空気はやはりクセになる。

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続く、「BiS-どうやらゾンビのお出まし-」、教師との複雑な関係を歌った「teacher teacher teacher」など、100%最新アルバム『Brand-new idol Society』からの選曲。終盤は、「STUPiD」と同様ゲリラ・ライヴで話題になった「thousand crickets」で、再びラジオ体操&ヘドバン&スクワットで終了。彼女たちの汗で濡れた前髪からこちらを覗く目は、冷静なようで興奮を隠しきれない様子だった。

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2019年、BiSはかつてとは違う空気になった。
楽曲、歌唱、パフォーマンスともにこれまで以上に力強くなっているし、
何よりも、そのパンク精神は、どの時期にも負けないように感じた。
また、メンバーの髪色は全員黒で、衣装もシンプル。まだ何色にも染まっていない。
アイドルという概念を今一度考えさせ、一新させるような、見せ方である。
もう「あのころはどうだった」とか、そういう話ではなくなっている。

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BiSが見たかった世界は、BiSHが掴みとったものだと思っていたのだけれど、
もしかして、それは違うのかもしれない。
そうじゃなかったとしたら、君たちの目的はなんだい?
それを知るためにも、3度目の世界をもっと見ていきたい、記録していきたい。
そう思えたライヴだった。

ボロフェスタ最終日も中盤!
やぐらに登場したのは3日間ボロフェスタを盛り上げたマジシャン、ミノウラヒロキとアイアムアイのキムアス。


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マジックの内容は、大きな段ボールにミノウラが入り、キムアスが刀でぶっすぶっすと刺し、無傷で生還するという難易度も危険度も高いものだ。

会場からも「本当にできんのか!?」と恐々とした声があがる。

キムアスも「ぼくが人を殺めて終わりですよ」と言いつつも、勢いよく刺していく。躊躇なさすぎるって!

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会場全体が5カウントをして見守り、キムアスがゆっくり箱を空けてみると…なんとミノウラがいない!?

キムアスが必死に探していると「いたー!あそこ見てー!」と会場後ろを指差した。

なんと台車に乗り、両手を広げるミノウラとアイアムアイの相方、井上メテオ(生気を感じられない)がいるではないか!!
マジック大成功だ!!

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会場から拍手がおこると、エレクトリカルなパレード音をバックに、井上がやぐらに向かって台車を動かし、上に乗るミノウラは、刀を口に入れるマジックなどを披露。会場からは笑いと拍手が巻き起こった。

3日間ボロフェスタを盛り立ててくれて、ありがとう!!

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ボロフェスタ最終日、初出演ながらどすこいSTAGEのトリを任されたのは、Ribet towns。 渋谷と北ヨーロッパに憧れを持つ12人組(当日は9人が出演)だ。

本番前、準備を終えたメンバーたちは、土俵を模して造られたどすこいSTAGEに「9人も乗れたね~」とわいわい話していた。そんな姿を見ていると、トリを任されたことへの緊張は全く感じられず、披露することが待ちきれない!という風に感じ取れた。 イベントナビゲーターの土龍からも「どこまでも多幸感満載のバンドです!」と紹介されライヴは始まった。

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1曲目の「caravan」は、鍵盤ハーモニカやアコースティックギターの音色が心地良く流れる曲。だんだんとテンポが速くなるこの楽曲は、まるで旅する楽団が次の目的地へ向かう途中、今までの楽しい旅を思い出しながら「次はどんな楽しいことが待っているんだろう」と期待を膨らまして演奏しているかのようだった。

「メトロ」では トライアングル、タンバリンの音で9人が大行進しているようで、どすこいSTAGEを賑やかに。

MCではミヤチアサヨ(Vo)から「ふだんやらないようなことやっていいですか?...ボロフェスター!!」と会場に向けて叫び、観客を湧かす。「もう一回やっていい?...ボロフェスター!!」と2回目を行ったときは会場はより和やかさ増した。

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MC後、様々な楽器たちを陽気にかき鳴らした「CRUSH」で、横揺れでも縦揺れでもなく、気持ちよくタップをする観客席。

「猫の砂」では“ならば アイロン出し 愛用した ブラウスにスチーム スペシャル仕様 行動しよう 今日どうしよう やっぱ気分におまかせしよう”というキュートなラップ調の歌詞に観客もノリノリ。

Instagramの投稿に気持ちを馳せる男の子の気持ちを歌った「Pose」で観客と手拍子。恋をしている男の子の気持ちを表した歌詞に、筆者の隣にいた男性は手を打ちながら「わかる!」と口に出していた(筆者も同じく)。

「I like your music」では、女性陣の透き通った歌声と、男性楽器隊の安定した演奏にどすこいSTAGEのあるロビーは埋まりだす。

「ベッドタウン」のパート「おいで おいで」のフレーズでは、手も体も横にゆらゆらと観客を踊らせる。どんな魔法を使ったんだ。

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「たくさんの人に見てもらえて嬉しいです。ありがとうございます」と感謝を述べて、演奏が始まった「アメジスト」。複雑に5拍子と6拍子が行き交うこの曲で、観客はしっかり着いてきて手拍子を叩いた。その姿にミヤチから「手拍子ついてこれるのすごい(笑)」とお褒めの言葉が与えられた。

「『らららららー』と歌うところがあるので、最後だから声枯らして歌ってほしい!」とミヤチが観客にお願いした「ハートに火をつけて」。落ちサビの後、観客一体が拳を上げて『らららららー』と歌う姿に筆者は感動のあまり泣いていた。

曲が終わり、9人が深くお辞儀をすると観客席からは「最高ー!」、「もう一周やってくれ!」という声が上がり、なんと予定には無かったアンコールタイムに。

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「フェスにアンコールなんてあるの??」と9人は驚きながらも、再び土俵に立ったミヤチは「私たちは京都の大学、軽音出身だから否が応でも、ボロフェスタは知ってるんですよ。そんなボロフェスタに立たせてもらえてありがとう。 みんなで最後まで楽しく過ごしましょう。セトリから漏れてしまったけど、どうしてもやりたかった曲です」と話し「ショートシネマ」を披露した。

最後までお祭りのように楽しくしてくれた9人に会場からは拍手喝采。どすこいSTAGEを有終の美で終えた。

続いての麒麟STAGEは、4人組アイドル・グループ、フィロソフィーのダンス。通称「フィロのス」。歌唱力とパフォーマンスに優れ、いわゆる“楽曲派”のアイドルファンたちも納得のグループだということで、非常に期待が高まっている。また、ナンバーガールや相対性理論を世に出したプロデューサー、加茂啓太郎が関わっているという点も、彼女たちを語る上では欠かせない。
そんな彼女たちの京都初ライヴが、ここボロフェスタだという。大変うれしいものだ。

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4人は、ゴールドを基調としたアラビアンな衣装を身にまとい、さっそうとステージに登場した。1曲目「ダンス・オア・ダンス」は、ミュージカルのオープニング・ナンバーのよう。壮大で音圧の強い楽曲を力強く歌い上げた。

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「ボロフェスタ、盛り上がっていきましょう!」と日向ハルが会場を沸かせると、「アイドル・フィロソフィー」。
楽曲中盤、日向&奥津マリリのメイン・ヴォーカル組の歌唱がリードした先に、佐藤まりあ &十束おとはの2人が加わり、1つになっていく様子は圧巻だった。

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「ヒューリスティック・シティ」は、古き良きJ-ソウル&ファンクの血を受け継いだようなトラック。振り付けの随所にセクシーさがあり、艶っぽい表現力に長けているなと感じる。「アイム・アフター・タイム」では、ハルのハスキー・ヴォイスが炸裂し、会場を驚かせた。みんな、ダンスも歌唱力もとてつもなくうまくて、グループでいても個の魅力が立っている。各自が得意分野を伸ばし、じっくりと努力を重ねてきた、そんな様子が目に浮かぶ。

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ラストは、彼女たちの使命について描かれているという「ダンス・ファウンダー」。ぱっと視界が開けるような明るさと、90年代J-POPのようなキャッチーさで、たっぷりと観客を魅了した。最後の最後まで「まだまだ踊れますか!」と煽り上手な彼女たちに、こちらも応えないなんて選択肢はない。

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ダンスから歌唱、どこを切り取っても素晴らしい全身全霊のパフォーマンス。
すでにビックな存在だけれど、どのようにより大きくなっていくかが楽しみだ。

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