2003年に結成したオルタナティブ・バンド、YOLZ IN THE SKY。自身の音楽を“一心不乱に踊り狂うためのミュージック”と称する彼らが、街の底ステージに現れた。
萩原孝信(Vo)が会場を見渡し、始まった1曲目は「目」。萩原の叫ぶようなハイトーンかつハイテンションなヴォーカルに、会場中に衝撃が走る。柴田健太郎(Gt)ギターの高音が金属音のように街の底ステージに響く。
眉間にシワを寄せながら萩原が歌い始めたのは、2009年に発売された『IONIZATION』より「OH MY BLANCE!」。柴田がイレギュラーなギターのコードを進行していく。平瀬晋也(Ba)が同じビートを反復し、会場を揺らす。まるで不協和音やノイズのようにも聴こえるアンサンブルだが、不思議と耳障りは悪くなく、いつまでも踊っていられるような気分になる。
「UP SIDE DOWN」や「I READY NEEDY」など、『IONIZATION』に収録されている楽曲が続く。全く笑顔を見せず、淡々と力を入れて演奏していくYOLZ IN THE SKY。全く電子音は混ざってないはずなのに、なぜかテクノのように感じてしまう彼らの音楽。それはまるで、観客が体感したことないような新時代のダンス・ミュージックに誘っているようだった。
「最後!!!」と萩原が短く叫び、「MANY THE PETEN」を披露。リズム隊のかき鳴らす音楽に合わせて踊り続ける観客と萩原。全5曲をやり遂げた、萩原の顔にはやりきった表情が浮かんでいた。